ServiceNowのDevOpsとは

企業のデジタル変革が進むなか、ソフトウェア開発とIT運用の連携は、ビジネス成長を左右する要素といえるでしょう。特にDevOpsの導入は、迅速なリリースと高品質な運用体制の実現に直結するでしょう。本記事では、ServiceNowが提供するDevOpsソリューションについて分かりやすく解説します。

そもそもDevOpsとは?

DevOpsとは、ソフトウェアの「開発(Development)」と「運用(Operations)」を一体化する考え方です。これまで別部門として機能していた開発チームと運用チームの間に協業体制を築き、迅速かつ安定したリリースを可能にする手法として注目されています。

このアプローチでは、開発プロセスにおける継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を軸に、コードの変更を素早くテスト・本番環境へ反映させる仕組みが整備されます。従来のような手動対応に頼るのではなく、自動化されたワークフローにより、品質とスピードの両立を実現できる点が特徴です。

特にServiceNowのようなプラットフォームを用いれば、CI/CDツールとの統合、セキュリティポリシーの自動適用、監査証跡の保持といった高度な管理も容易になります。これにより、DevOpsの導入をより安全かつスムーズに進めることが可能になります。

DevOpsの導入効果

DevOpsを導入することで得られるメリットは多岐にわたりますが、特に以下の4点が代表的です。

1. ソフトウェアリリースの迅速化

従来は数週間から数か月を要していた機能追加や修正が、DevOps導入後は数日あるいは数時間単位で完了するケースも珍しくありません。継続的なテストとデプロイにより、品質を確保しながら開発スピードを飛躍的に向上させることができます。

2. 品質の維持と向上

自動化されたテストプロセスにより、エラーの早期発見と修正が可能になります。加えて、リリース前にセキュリティ検証やパフォーマンスチェックも実施されるため、ユーザーに安定したサービスを提供できる体制が整います。

3. チームの連携強化

開発者、運用担当者、セキュリティチームの間でリアルタイムな情報共有が進み、全体の透明性が高まります。特にServiceNow DevOpsでは、承認フローや変更履歴の可視化が標準機能として組み込まれており、部門をまたぐコラボレーションが自然と促進されます。

4. コンプライアンスとセキュリティの強化

IT部門にとって不可欠な監査対応や規制遵守も、ServiceNowのDevOps統合により自動化が可能です。開発中に必要なセキュリティレビューやガバナンスチェックがリアルタイムで実施されるため、リスクの見落としが大幅に減少します。

DevOpsが重要な理由

今日のビジネス環境は変化が激しく、顧客のニーズも日々進化しています。そのため、競争力を維持するには、素早い意思決定とスピーディな開発・運用が求められます。DevOpsはこのような課題を解決するうえで非常に有効な手段です。

また、DevOpsは単なる技術やプロセスの導入ではありません。チーム間の信頼関係や組織全体のカルチャー変革を促す仕組みでもあります。特にServiceNowのような統合プラットフォームを活用することで、IT資産全体を一元管理し、経営レベルでの意思決定に資するデータも蓄積可能になります。

さらに、ServiceNow DevOpsは、既存のツール群(Jenkins、GitHub、Azure DevOpsなど)との接続もサポートしており、新たな環境構築の負担を最小限に抑えながら移行できる点も魅力の一つです。

DevOpsの導入事例

課題

2020年、Sasolは原油価格の暴落やコロナ禍など、未曾有の危機に直面しました。レガシーシステムとオンプレミスツールに起因するデータの可視性欠如、そしてウォーターフォール型の非効率な意思決定プロセスが、顧客ニーズへの迅速な対応を阻害。製品・サービスの提供遅延やワークフローの不透明化も深刻な問題と化し、市場環境の変化への対応も急務となる中、アジャイルな開発体制と顧客との連携強化が求められていたのです。

導入効果

ServiceNow DevOps導入により、Sasolは開発スピードを劇的に向上させ、新製品リリース時間を数週間から数分に短縮。デジタルトランスフォーメーション全体で約3.2億ドルのコスト削減を見込み、1,200件の技術的負債も解消しました。CI/CDパイプライン連携による自動化、チーム間連携強化、組織横断的なインサイト獲得も実現。これにより、顧客体験の向上と市場変化への迅速な対応が可能となり、持続的成長への基盤を確立しました。

参照元:Servicenow公式HP(https://www.servicenow.com/jp/customers/sasol.html)

ベンダーは自社のシステム
課題から選びましょう
ServiceNowをよりスムーズに導入し、効果的に利用するためには、自社に合った導入支援ベンダーを選ぶことが欠かせません。
このメディアでは、各社のシステムの状況別におすすめのServiceNow導入ベンダーを紹介しているので、ぜひそちらも併せてチェックしてください。

業界特有のシステム課題から選ぶ
おすすめベンダー3選

合わせて読みたい関連記事

業界特有のシステム課題から選ぶ
ServiceNow導入支援ベンダー
おすすめ3選

ここではServiceNowの導入支援を行っている企業の中でも特におすすめしたい3社を紹介。

企業や業界によってシステムの仕様や課題は異なるため、それぞれの業界特有の課題に対応したServiceNow導入支援ベンダーを紹介します。

申請・承認フローの
デジタル化に踏み出したい
不動産・建設業界向け

ロココ
ロココキャプチャ

画像引用元:ロココ公式HP
https://www.rococo.co.jp/products/biz-app/servicenow/

おすすめポイント
導入が目的ではなく、“実務で使われ、成果につながる”ことをゴールとするアプローチが、不動産業界のように部門横断的で帳票が多層化・分散化している組織にフィットします。
           

高度な規制や
制約への対応がしたい
金融業界向け

NTTデータ
NTTデータキャプチャ

画像引用元:NTTデータ公式HP
https://nttdata.service-now.com/jp

おすすめポイント
業界に精通した業界出身者も擁しているため、業界特有の法規制や業務プロセス、コンプライアンス要件に関する広範な知識を有しているのが特徴です。
           

定型業務の電子・自動化に
踏み出したい
行政組織向け

Blueship
BlueshipHPキャプチャ

画像引用元:Blueship公式HP
https://www.blueship.co.jp/

おすすめポイント
地方自治体のDXにおいて、RPAやAI-OCRとの連携、行政手続きのポータル構築など、実務に即したソリューション設計に強みがあり、使いやすく定着する仕組みを一気通貫で提供します。